「俺が持つ」 律はそう言って私の手から傘を取った。 「…ありがとう」 「ん」 素っ気ない返事だけど、照れ隠しなのだとわかって何故だか無性に愛しくなった。 「ねぇ、どうして今日は手を繋ごうと思ったの?」 少し、気になってしまって聞いてみると 律は気まずそうに話し始めた。