電話は妹の里奈からだった。


用件は対した事では無く、お母さんが電話に出ないから
今日の帰りは遅くなると伝えて欲しいとの事だった。



「ごめん~」


奈津希たちのところへ駆け足ぎみで戻る。


「誰から?」


「妹からだった」



それから話が弾み、すっかり日は暮れて
夜の8時を回っていた。


「そろそろ帰ろっか~」


「そうだね」




ファミレスでの会計を済ませて外へ出た。

外は蒸し暑く、じめっとした空気が当たった。





「私と健ちゃんはこっちだけど、かずは?」


「あ、俺は逆方向」


「じゃあ朝日と途中まで帰りなよ」


「あ~うん」



奈津希と健ちゃんと別れたあとの
帰り道が一人じゃないのは
初めてだった。


いつもは奈津希と健ちゃんは家が同じ方向なので
どうしても一人になってしまう。




でも・・・何を話せば良いんだろう。