別に通知オフにしてるわけじゃないから返信がきたら音がなるからきてないのはわかってはいるけどもしかしたら、と思って開いつてしまう




で、開いてもやっぱり返信がきてないトーク画面にがっかりしながらLINEを閉じる




「でもさ、もったいないよね〜こはるこんなにかわいいのに理想が高すぎて一生独身でいるタイプだよ」




私の横顔をまじまじとみながらいってくるあいり




あいりはよく私の容姿を褒めてくれる




昔からあいり以外からもかわいいねとはよく言われるほうだと思う




「実際私そんなに可愛くないよ」




でもこの言葉は謙遜で言ったわけじゃなくてほんとうにそう思ってること




人からよくかわいいといわれるからもしかしたら平均よりも私の顔は少しかわいいのかもしれない




今はこう割り切ることができるようになったけど中学の時は容姿のことでなにか言われるたびに心臓が苦しくなった




物心ついた頃から完璧すぎる理想のおねいちゃんがそばにいたから自分のことをかわいいなんてもちろん思えるわけがなく褒められるたびにこの人はなぜそんな風に私を褒めるんだろうと構えてしまっていた




むしろかわいいと言われるたびになんだかバカにされてる気がして容姿に対しての褒め言葉が少し怖かった




「いやいや、ほんとうに!知ってる?学年どころかこの学校で1番かわいいって言われてるんだよ?こはるさんは」




びしっと私の顔を指差して大きい目をぱちぱちさせながら真剣にいってくるあいり




そんなこといってるあいりのほうが絶対私よりかわいいのになって思ったけどそんなこといったら余計あいりは反論してくるだけだってもう経験済みだから適当に受け流す




「そっかぁ、それは光栄ですね」




うんうんと、頷きながらいったこの言葉は我ながら棒読み




あいりがなんでそんなに無自覚なのかなぁとつぶやききながら大きなため息をつく




自分でも卑屈だなって思うけどしょうがないじゃない




昔から自分とおねいちゃんを比べてばっかりいたから




自然とこんな性格に出来上がってしまった