「つまんないな」




教室の窓際の1番後ろという誰もが羨む特等席をくじ引きで当てたこと以外とくに嬉しかったこともなく



華の高校生の一年目からこんな調子じゃこの先思いやられる



休み時間に窓を開けてグラウンドでサッカーの練習をしてる男子のうるさい声をbgmがわりに頬杖をつきながら目を閉じる




「こはる〜〜、また黄昏中ですか」



そういいながら私の右ほほを突っついてくるのは隣の席のあいな



いつものことなので動ぜずにちらりと視線だけあいなに向ける



目があったらいつものようににっこり笑ってくる



私は変わらず無表情なのに目が合えばいつも笑顔で返してくれるあいなはとてもいい子だと思う。



あいなの右ほほだけにできるえくぼがかわいくて好きだ



「はぁ、そんなかわい顔してなにがつまらないのかねこはるちゃんは」



軽くほほをつねられたけど全く痛くない




「つまらないよ、彼氏もできないし」



「いやいやいや!それはあなたが片っ端から告白断ってるからでしょ!この前告白してきた上林くんなんてこの学年で1番のイケメンだったからね?!」




「上林くん、、」




誰だっけって思っちゃう私は薄情なのか




でも思い出せないよ




誰が誰とかわからない。