"今だって大切だよ"






咲が背中を押してくれて

私はいつの間にか走り出していた





海沿いを走った
もうすぐ日が沈む





『はい』





「もしもし!?隼人くん!?」



電話をかけると隼人くんはすぐに出た





『どうした?』




あれ。

隼人くんの声の後ろに

波の音がする





隼人くん、今……




「隼人くん!今、どこに……」





『……今、、、』






いつもの階段に座ってる隼人くんを見つけた



隼人くんが何かを言いかけたけど

一方的に電話を切って




走った








「もしもしー?もしもーし?」





隼人くんは繋がらなくなった電話を切ったところだった






「隼人くん……」



「うわあ!!!びっくりしたー!!!」




息を切らしながら
階段に座ってる隼人くんの前に立った





伝えるんだ




今。