「ウミ、俺のこと嫌いになった?」
不意に呼び捨てして
寂しそうな顔で言ってくるから
ドキッとして
つい
つい
隼人くんの手を握ってしまった
「私の名前は、オトミです」
「知ってるよ」
「嫌いになってないです」
「うん」
「私も好きです」
「うん」
「でも、もう少し、待ってくれませんか?」
「うん、待ってるよ」
今日は
初めて、自分から隼人くんに触れた
隼人くんの手は
暖かくて
隼人くんの手を握った私の手を
上から握り直して優しく包み込んでくれた
何も考えなくていいなら
もうこのまま
隼人くんと離れたくないよ