「おじゃましました」




「また来てねえ!」




「はい!」






夜の10時を回ってた

お母さんが夕飯まで作って

隼人くんが帰れなくなっちゃって


やっと

お父さんの閉店作業が終わって、お開きになった





「なんかごめんなさい、うるさくて」



お店の外に出て
隼人くんに言った




「すんげー楽しかったわ、久しぶりにあんな笑ったかも」




「ほんとですか?」




「ほんとだよーめっちゃいい親御さんじゃん」




「ありがとうございます」





「なんか幸せだわ」




「……幸せ?」




「うん、このお店も、ウミちゃんのお父さんとお母さんも、暖かい」




「…」




「ずっとここにいたいって俺も思ったよ」




「…嬉しいです」





同じこと
思ったって

言った隼人くんの目は

本当に心から言ってくれてるのが
伝わるくらい
少しだけ潤んでて

優しかった





「じゃあ、また連絡する」




「はい」





最後に頭をクシャクシャってしてきて


手を振って
帰ってった








はあ。

私、ドキドキしすぎて
倒れそう。