「でも、夏が終わっても、何年経っても、ここには来たいなー」
え……
隼人くんが私の心を読んだかのように
そうつぶやくから
つい足を止めてしまった
「どうしたの?」
「いや、あの、嬉しくて!」
「はははっ、だってここすんげーいいとこじゃん!」
そう笑う隼人くんの顔は
きっと
私しか見たことのない
三回目の笑顔だった
すごい嬉しかった
隼人くんがここを気に入ってくれて
私の大好きな街を
気に入ってくれてて
そんな話をしてるうちに
うちのカフェに着いた
「ここです」
「え、俺、この店来たことあるよ」
「はい?」
すぐに
胸がドキッとした
どういうこと?
「俺、ウミちゃんに初めて会った日のお昼過ぎ、来た」
私と初めて会った日の
お昼過ぎ
「え、、私、休憩してました!」
「まじか〜!じゃあいたんだ、ここに」
「いました!働いてました!」
「なんだ~〜なんかすげえな」
「はい……」
こういうのって
運命
って思ってもいいのかな
偶然じゃなかった
偶然じゃなかったんだよね?