隼人くんから電話が来て

迎えに来て
と言われ

あとで
って電話を切る







なにこの夢みたいな出来事。







でも

さっき実感してから

なんとなく隼人くんが
近い男の人になってて


緊張より

楽しみ


の気持ちが増えてきた






「…!!」




コンビニに着くと
隼人くんもこっちに気づいて
手を挙げた



少しだけ手を振って
お互いに近づく




「お疲れ様です」



「サンキュー」



「こっちです!」



そう言って隼人くんとうちまで歩き出した




隣を歩く隼人くんは

さっきまで大女優と演技してた

SEASOUNDSの一ノ瀬隼人





「ん?なに?」



つい隼人くんの横顔に見とれてしまって
隼人くんが不思議そうに顔を近づけてきた




「なんでもないです!」




「ふーん」



「隼人くんは、どこに泊まってるんですか?」



とっさに適当な質問をした




「seasideってゆーホテル」



「あぁ!」



「ウミちゃんの家は?」




「カフェとは別のところなんですけど、カフェはseasideに近いですよ」




「だよね?なんか帰ってる感じしてた」



「ふふ、家はもうちょっと奥です」




「へえ、いいとこに住んでるね」



「東京に帰らないんですか?」



「帰ってるよ、あっちで仕事あるし、でも今年の夏は基本こっちかな」



「そうなんですか」






夏が終わったら……?




隼人くんは
東京に帰るんだよね




ここに来ることは
もうないのかな