「…?おい!オト!」




「……!?あ、ごめん、なに?」




「お前今日ずーっとボーッとしてるぞ」




「ごめんごめん」




食器を洗いながらボーッとしてた

お父さんが呼んでるの全然気づかなかった






「ちょっと買い出し行ってきてくれ」




「うん、わかった」





お父さんに頼まれていつものスーパーに買い出しに行くことになった





「……」



何をしてても考えちゃう

思い出しちゃう



"俺、好きだわ"

"手放したくないと思ったんだ"

"本気で考えて欲しい、俺のこと"






"こんなに好きになってた"






隼人くんの体温をまだ体が覚えてて

隼人くんの声が耳元で聴こえて

隼人くんが


好き

って言ってくれた






こんなこと

こんな急に

人生で隼人くんに名前を聞かれたことだけでも信じられなかったのに







まだ夢でも見てるんじゃないのかな