「ごめん、ウミちゃん」




隼人くんは
私の撮った写真を持って
そう言ってからお店を出ていった




ああ、、

やっちゃった。




あの憧れてた
大好きだった

私にとっては空くらい遠い

隼人くんと

キスした






なのに

嬉しくないよ





涙が止まらなくて


お店で1人で静かに泣いた





オバサンが帰ってきて

カギを渡してすぐに私も帰った





携帯を見たらもう21時を過ぎていた





あ、そうだ


咲に電話するの忘れてた


また話すこと増えちゃったな。






そんなことを考えながら
家に帰らず
いつもの海辺を歩いた







「……!?」





階段のところまでくると



そこには
隼人くんがいた




「……!」




隼人くんは私に気づいて立ち上がった




なんでいるの?

なんで?ここに?


私は動かずに
そのまま波際で立ち尽くした



隼人くんが近づいてきた




「来ないでください」




「……」





隼人くんは私の言葉を無視してそのまま私に向かって歩いてくる