「ん?」



隼人くんにとって私は

今日初めて出会った

ただの高校生。



なのに
なぜか

名前を呼んだ時の
"ん?"が
すごい近くて

距離を感じさせない

私も大好きな人を目の前にしてるとは思えないほど
冷静になりつつあった






「隼人くん、私、隼人くんのこと本当にずっとずっとずっと、、。
きっとこれからも。好きです。」





隼人くんは
急にこんなことを言い始めた私に
驚きながらも
微笑んで聴いてくれてた




「ありがとう」



「明日からの撮影、頑張ってください!」



私は恥ずかしくなって
そう言って立ち上がってお辞儀をした


もうこれで
終わり。


きっともうこうやって話せることはなくて

隼人くんの記憶に残ることもないんだ




「会えて嬉しかったです」



私がそう言うと
隼人くんはまた少しだけ驚いた顔をして何も言わなかった





「ウミちゃん!」




私が階段を上り始めて
帰ろうとした時、隼人くんに止められた

後ろを振り向くと隼人くんは一気に階段をかけ登ってきて私の腕を掴んだ





「え、、どうしたんですか?」




隼人くんに触れられて心拍数がまた上がる





「これ、ちょうだい」




隼人くんはそう言うと
私が首に下げていた写ルンですのカメラを私の首からとった



「え、、いいですけど、、」




なんで?

私が撮った写真なんかほしいのかな?

自分が写真撮りたいとか?
いや、でもさっき全部撮り終わっちゃってるし、、





「これ、あげる」



隼人くんは私の写ルンですを自分の首にさげると、自分のポケットの中から、なにかを出した





「え、これって、、」




「俺も、ちょうどさっき、撮り終わったの」



隼人くんが渡してきたのは
私と同じ39枚撮りの写ルンですだった



「え!?ほんとですか!?いいんですか!?」




驚いて

嬉しくて

嬉しくて

飛び跳ねるように喜んでしまった





「ハハハッ素直だな〜、またね。」




隼人くんはそう言って
私に手を振りながら階段の上に消えていった