「長瀬くんてさぁ、本当頭いいし、カッコイイし、完璧よね〜」
そう言われて、
別に悪い気にはならない。
だって実際、俺は
顔はいい方だし、運動だって好きだし、勉強だってできちゃう。
だから、
「そんなことないよ。
でもなんだか、自信がつくよ、ありがとう」
と、いつものジェントルマンスマイルで
適当に返事をする。
まぁ、愛嬌良くしといて損はない。
だって、その方が楽だし。
人脈は広い方がいいじゃん?
でも、
「長瀬くん、好きです!」
こういうのはちょっと困る。
「友達からでもいいので、仲良くしてください!」
そう言われると、俺はお決まりのセリフを吐く。
「ありがとう。でもキミのことあまり知らないし、今は勉強に集中したいんだよね…ごめんね」
…………まぁ、こんなのは嘘だ。
俺は、勉強なんてしねぇ。
しなくても、できるんだもん。
ホントの理由は
俺には
好きな女がいるから。