キーンコーンカーンコーン…



憂鬱な1日学校生活の終わりを告げるチャイムが鳴る。


疲れた。



俺が帰る支度をしていると、



「長瀬くーん!!」


と、ドアの向こうで、俺を呼ぶ女の声がする。



返事をするのが面倒くさかったので、聞こえないふりをする。




「ねぇ!なーがーせーくんっ!!ってばぁー!」





……うるせぇな。



確か……同じクラスの
………三島とかいう女だっけ。



内心うぜぇなと思いながら
そちらへ向かう。





「どうしたの?」




「ねぇ!長瀬くんすごいよ!また一位だよ!?」



「マジ?」



俺は、前へ進む。



すると、順位結果の掲示板には、







2位 ・・・・藤咲 花菜 (1組)

1位 ・・・・長瀬 諒也 (2組)



と張り出されていた。







あいつ、また俺に負けたのかよ。



と思いつつも、安心してる俺は
最低かもな。





すると、



「すっごーい!長瀬くん!」



「さっすが、完璧王子!」



と、いつものように、
俺の周りに寄ってくる、女子ども。





「そんなことないって、このくらい大したことないよ」



と俺はいつものように、
得意のジェントルマンスマイルで返す。




「すごいねえ!長瀬くん、
やっぱり、夜遅くまで勉強したりしてるの?」



「うん、今回は寝不足気味かな」




嘘。

ホントは頑張ってなんかないし、寝不足気味でもねぇ。



大抵、授業聞いてれば分かるし、
テストが始まる10分前で、
教科書何回か見返せば、なんとかなる。




「長瀬くん、今度ウチに勉強教えてよ〜〜♡」



なんでだよ。


つか、テメー誰だよ。



内心舌打ちをして、
あはは、今度ね!
と、俺は、愛想笑いしながら
目を反らす。




と、なにやら俺を睨んでる奴が
視界に入る。






………藤咲?





俺と目が合った瞬間、
アイツは、ハッと驚いた顔をすると、瞬発的に顔を逸らしやがった。






ムカッ


は?なんだよアイツ…




ムカついた俺は、
逃げるように帰っていくアイツを追いかけるーーー