「ふぅ…お前さぁ…俺のことしらないの?」


先輩は笑いがおさまったのか口を開いた

ってか…知らないのって言われても


ーーーしらないわ!


「てかさぁ、自分のクラスの人把握してる?」

え?

「俺、橘琉生…お前と同じクラスなんだけど??」

え?うそ

待って…てゆーことは?
あたし、めっちゃ失礼なことしてんじゃん…


「ご、ごめんなさいっ」

あたしはとっさに深々と頭をさげる


「まぁいいけど…それより大丈夫なのか?」

え?

「さっきから、大丈夫そうな顔してないんだけど」


「っ!!」

さっきのことが頭をよぎる

「だ、大丈夫で…す」


ーーあれ?


ーーあたし、なんで泣いてんの?


こぼれる涙を見られたくなくて下をむく



ーーートン


頭を抱き寄せられたと気づくのに、数秒はかかったと思う


「いいから泣けよ」


頭の上から降ってきた橘くんの声と言葉がなぜか懐かしく感じて…安心したのかあたしは声をあげて泣き出した