何時だっただろうか。 誰だっただろうか。 記憶の、ココロの片隅で、 俺を呼んでる声がする。 あぁ、そこには猫がいる。 幼く、可愛い猫がいる。 箱の中から見つめている。 俺をじっと、ただ一人。 ひたすらキミは何か問う。 一体何を問いている? 途切れ途切れのその声は、 鈴の音のような気がしている。 護りたかった、桜の火。 何もできやしないんだ。 月夜がキミを隠すから。 そしたら炎は消えている。 きっとまた霞んでしまうんだ。 ──朧月