「駆流!!お前が出ろ!!」




「はい!!」




話し合った結果、今まで好調の駆流が出ることになった。




「ピッチャー、駆流。キャッチャーは朝飛。お前らいけるか?」




「「行けます!!」」




先輩達は微笑んで二人の肩を叩く。




この場面での投球は絶対緊張してるはず。




「駆流。」




治療中のキャプテンが駆流を呼ぶ。




「お前なら大丈夫だ。決勝だからって緊張しなくていい。いつもと変わらない投球すればいい。」




「はいっ!」




キャプテンと駆流が固く握手する。




駆流は準備するとマウンドに出ようとする。




私は駆流を慌てて引き止めた。




「駆流!!」




私は拳を駆流に向けた。




何も言わなくても、きっと通じる。




駆流はニコッと笑って自分の拳を私の拳に軽く当てた。