先輩達が先に球場に一礼してアップを始めた。




私はノートを持って、ベンチに座ろうとする。




「光。・・・・・・俺、その、」




いつもより顔がちょっとだけ強ばった駆流が来た。




初めての空気だもんね。




緊張してるのは分かるけど、きっと私が何を言うか分かってる。




「約束忘れんなよ、駆流。駆流なら大丈夫だよ。駆流の良い所も、悪い所も知ってる私が言うんだから間違いないでしょ?・・・・・せっかく背高いんだから、猫背になったらかっこ悪いよ!!胸はって行ってこい!!」




私はそう言って駆流の背中を1発叩いた。




「いったっ!・・・・・・・・ふっ、ありがと。気合い入った。・・・・・そこで見とけよ。」



駆流がいつもの笑顔になった。




それを見て私も安心する。




「ふーん。言うねぇー!!見てるから、大丈夫。もしもの時はって言ったでしょ?」




「そうだな。・・・・・行ってくる。」




駆流は私の頭にポンッと手を置くと、マウンドに走っていった。




よし、あの駆流なら大丈夫。