「俺も休憩するーーー。もーーー無理だわ。頭が限界。」
私は起き上がって駆流の隣に座る。
「・・・・・・私、嘘つくのとか苦手だからはっきり聞いちゃうね。・・・・駆流はお父さんと会いたくないの?」
「はぁー。やっと言ったし。最初からそんなことだと思ったけどさ。・・・・・嫌いじゃないよ。でも、会ったらなんて言えばいいか、どんな話すればいいか分かんない。」
確かになかなか顔を合わせないから、そういうこと考えるよね。
「・・・・・・それは、駆流が言いたいこと言えばいいんじやないの?駆流じゃないから分かんないけど、私だったら何食べてるの?とか、海外の服ってどんな感じ?とかって聞くと思う。だから、別にそんなにかしこまんなくていいじゃん。」
私は駆流の方を向いて言うと、駆流は驚いた顔をした。
「・・・・・それだけでいいと思う?特別、何もしなくていいのかな?」
「じゃあキャッチボールしたら?駆流なら、言葉よりもそっちの方がいいんじゃないかな?」
「キャッチボールか・・・・・・そうだな。じゃあやってみるよ。何も考えなくてもどうにかなるよな。・・・ありがと、光。」
「うん。あっ、こんな時間だから私帰るね!また明日!!」
窓の外を見ると真っ暗になっていた。
持ってきた荷物をまとめて部屋から出る。
「おう、また明日な。」
はーい!と返事をすると、階段を降りて、まだ台所にいたおばさんに挨拶する。