私がそう言うと、驚いた顔をして私を見る陸先輩。




「あはははは!光ちゃんは本当に野球大好きなんだね。・・・・・でも、そうだね。頑張ってやってきてもここに立てない人もいるんだもんね。よし!今日もやるか!!ありがとね、光ちゃん。」




陸先輩は私の頭をぽんぽんと撫でると球場の中に走っていく。




私も荷物を持ってベンチに戻る。




「渚砂先輩!ここに置いておきますね。」




「ありがとう!!じゃあ後は任せて!!」




「はい。後は上で応援してますね。」




私はまた階段を登って、駆流の隣に座る。




「お疲れ様。はい、これあげる。」




「ありがとうー!・・・・あー、美味しい!!」




駆流から貰ったスポーツドリンクを飲むと、試合が始まった。




ウゥーーーーーーーー!!!




「始まったね。」




「おぅ。」




今回は私達の攻撃は後から。




マウンドにピッチャーが立つ。




私は祈るように手を合わせる。




ここで先輩達の夏が終わりませんように。




試合は0対0のまま進んだ。




試合が動いたのは7回表。




相手のヒットが重なって1点取られてしまった。