私がそう言って笑うと、駆流も声を出して笑った。




「あはは!生意気だな。・・・・・・でも、当たり前。俺がレギュラーになった時、必ず連れていく。だから、明日からの試合ちゃんと見て先輩達の姿忘れないようにする。」



「そうだね。少しでも勝ち上がってほしい。」




私は赤く染まる空を見上げた。




「よし、帰ろっか!今日はお母さんがカツ作ってくれるってさ。」




「マジか!?じゃあ帰るか。」




「うん。」




そう言って立ち上がると駆流が私に手を差し出した。




「あんまり寝てないんだろ。倒れたら困るし。ほら、行こ!」




「うん。ありがとう!」




気づいてたんだ。




私があんまり寝てないこと。



そういう気遣いだけで、胸がキュッとなるほど嬉しい。




本当に駆流には助けられてばっかりだ。




明日からは私も頑張るからね。




明日からの試合、勝ち上がって甲子園にいけますように。




私は茜色の空に1人呟いた。