「あぁ、そうだな。・・・・・・ちょっとここ座って話そ。」



そう言って噴水の淵に座る。



「うん。」



私も駆流の隣に座る。



駆流が深呼吸して空を見る。



まだ空は明るくて月だけが見えている。



「・・・・・・・・光。昨日さ、決勝で最後のバッターと対決した時、光の顔が浮かんだんだよ。・・・・・俺さ、最初は朝飛のこと見てたのに、そのうち頭の中では光が浮かんで、光とキャッチボールしてたの思い出したんだ。全然、試合中だとか、ここ守んなきゃとか思わなかった。今思えば凄いよな。それって。」



私は驚きと嬉しさで声が出なかった。



「今でも夢みたいだって、思うんだ。優勝したことが。でも、テレビ付けたりスマホ見ると本当なんだなって思って。一夜にして有名になったってこんな感じなのかな?」



ふっと笑って駆流が言う。



「ごめん。1人でべらべら喋って。・・・・・緊張してるからかな。」



「緊張?なんで?」