ストライク



ボール



ボール



ファール



ファール



ボール



2アウト、フルカウント。


次の1球で決まるかもしれない。



駆流が深呼吸して、朝飛が指示を出す。



大きく頷くと朝飛を真っ直ぐ見て、ボールを放つ・・・・・・・・・・・



「バッターアウト!!ゲームセット!!」



「試合終ーーーーーーー了ーーーーー!!」



ウゥーーーーーーーーーーッッッ





夏の青い空に響き渡る音。





球場からの声援と試合終了の合図。





駆流は、その場に立ったまま空を見てる。





朝飛が走って駆流に抱きつく。




ベンチからはみんながグラウンドに走って駆流の元へ行く。




優勝





優勝、したんだ。





「光せんぱーーーーーーーーい!!」




萌絵ちゃんが泣きながら私に抱きついてきた。




「・・・・・・・・優勝、した?勝ったの?」




私の目から大粒の涙が次々に零れ落ちる。




駆流っ。




駆流っ。




今すぐ駆流に抱きつきたかった。




みんなは整列して、互いに握手を交わして、校歌を歌う。




応援席に挨拶にしに行く駆流の目にはうっすら涙が見えた。