大丈夫、かな?



駆流?



私が心の中で駆流の名前を呼ぶとマウンドから駆流が私の方を見た。



駆流の表情は何も変わらなくて、手首に付いてるミサンガを私に見せた。



あぁ、分かったよ。



大丈夫なんでしょ?



私も自分の手首に付いてるミサンガを見せる。



そしてそのままバッターに目を向ける。



大丈夫だ。



言葉にしなくても伝わってくるような気がした。



きっと、守りきれる。



3人目のバッターが打席に立つ。



ボール、ボール、ストライク、ボール。



そして、



「バッターアウト!!」



「「「「「「よしっ!!」」」」」」


これで2アウト。



ベンチからみんなが駆流のことを見守る。



あと、ひとつ。



球場中の視線が駆流に集まる。



ベンチからはみんなが駆流にエールを送る。



私の隣で萌絵ちゃんが手を胸の前で握っている。



私も胸の前で手を握るとマウンドを見る。



「プレイボール!!」



バッターは4番。



さっきもヒットを打たれた相手だ。