駆流は脇をしめて、バットを構える。



ピッチャーの球は途中でカーブする。



そして、



カキーーーンッ



夏の青い空に白い点が付いたように今まで一番高いボール。



それはどんどん遠くに飛んで、フェンスを超える。



「「「「「ホーーームラーーーーン!」」」」」



ベンチからはたくさんの歓声が上がる。



私も嬉しくて萌絵ちゃんと抱き合った。



監督も喜んでいる。



そして、試合は5対0で勝利した。



私たちが新たな歴史を作った。



メディアは駆流に注目し始めて、また人気がでてきている。



その日はみんな勝ったことで自信がついたみたいだった。



今年の夏は今までと違う。



誰もがそう思った。





そして・・・・・・・・・・・



「いやー、勢いに乗ってますね。ピッチャーの笠原。今日の決勝までずっと調子がいいですね。」



「そうですね。キャッチャーの志賀もいいバッティングしてますよ。・・・・・この2人の勢いは誰にも止められませんね。」