「何回だって、駆流に私の言葉で応援するから。なんて言われるか楽しみにしててよ。」



私がちょっとおどけて言うと駆流が笑った。



「りょーかい。」



駆流ベンチの前に整列した。



みんなが試合開始の合図を待つ。



心配が出てきて、駆流が合図する。



みんなが走っていく後ろ姿が輝いて見える。



「礼っ！！」



ウゥーーーーーーーーーーッッ



試合開始の合図が甲子園球場中に響き渡る。



この試合、最初の攻撃は私達。



「プレイボール！！」



朝飛が打席に立つ。



ピッチャーが放った初球。



カキーーーンッ



「初球打ったーーーーーー！！ボールは高く飛んで、高く飛んで、・・・・ホームラーーーン！」



アナウンサーも騒ぐ声が聞こえる。



ベンチからも球場中からも大きな歓声。



朝飛がホームベースを踏んで帰ってくるとみんなに頭を叩かれていた。



いい流れが出来てきた所で駆流の投球。



いつもと変わらず初めから真っ直ぐ投げられている。


駆流とみんなの打線が上手く繋がって、9回表。



4対0で試合が進んでいた。



ここが最後の攻撃。



駆流がバッターボックスに入る。



ボール、ボール、ストライク、ストライク、ファール、ボール、ファール。



フルカウントで8球目。