「ベンチで倒れて、監督が救急車呼んで、その間に閉会式して、ミーティングして、救急車に光乗せて、俺と監督が一緒に来た。俺はおばさんに電話して、監督は挨拶してから帰った。・・・・・・・光、なんで、今まで言わなかったんだよ。入院って知ってたんだろ!?なんで、なんでだよ!!こんなになるまで我慢すんなよ!!」



駆流が涙目になって叫ぶのを私はただ呆然と聞いていた。



ほらね、駆流に心配かけたじゃん。



だから言わなかったのにさ。



「光。・・・・・・・ちゃんと教えてよ。お願い。・・・・・・・・・・声は無理しなくていいからさ。」


そう言って私の隣に椅子を持ってきて座る。



「・・・・・・・・・私は冬にインフルエンザになって、それで咳しすぎて、急性咽頭炎になった。症状は先生に聞いたでしょ?」



「あぁ。」



「声を出しすぎちゃダメって言われたの。でも、部活をやってる限りそんなの無理でしょ?だから、あんまり気にしなかったの。すぐ治ると思って。でも・・・・・・・・2ヵ月くらいして、入院しないといけなくなるかもしれないって言われたの。」