「光先輩!!声出さないように頑張ってくださいよ!!」



仕事をしながら萌絵ちゃんに怒られる。



「ごめんね。ついーーー。」



「ついじゃないですよ!!もう、気をつけてくださいね!先輩、今年の夏が最後なんですよ?」



「うん。・・・・・・・そうだね。」



そうだよね。



今年が最後のチャンスだ。



「光ーー!!こっちタイム計ってくれるか?」



「はーーい!!今行くーー!!」



「光先輩!!」



「あっ!!また声出し過ぎたー。」



萌絵ちゃんにまた睨まれるけど、私は気にせず駆流の元へ行く。



「声出しすぎると何かあるの?」



「いや!!何でもないよ。ゴホッ・・・」



「・・・・・・・その咳全然治らないよな。大丈夫なのか?冬からずっとだろ?」



「うん。大丈夫。なんかアレルギーらしいから。ほら、練習!!」



「・・・・・・おぅ。」



駆流にバレちゃいけない。




早く、早く夏が来て。







3週間後ーーーーー・・・・・・・






「明日はいよいよ地区総体、予選が始まる。ここで優勝しない限り、甲子園なんて無理だからな。まぁ、そんなに緊張しないでやれよ。・・・・・チームプレーで勝ちにいけよ!!」



「「「「「はい!!」」」」」




みんなの気持ちも引き締まる。



「じゃあ、キャプテンから一言。」



監督に言われて駆流が前に出る。