「それは出来るだけ喉を使わないようにするしかないわ。薬を飲んで治すしかない。でも、これ以上酷くなって熱が出たら入院って可能性もあるわよ。」



「声を使わないってどれくらいですか?」



「え?んーーーー。騒いだりしちゃダメかな。何か部活してるの?」



「野球部のマネージャーです。応援の時とかは大声出しちゃうと思うんですけど。」



「なるべく出さないようにして。それから一ヶ月に1度診察に来てね。」



「・・・・・・はい。」



診察室を出て私はため息をついた。



まさか、こんなことになるなんて。



声を出しちゃダメってそんなの、無理。



私は薬局で薬を受け取った。



帰り道、突然スマホが鳴った。



「はい、もしもし。」



「光?どうだった。」



「・・・・・・なんか、咳しすぎて喉が痛むんじゃないかって。全然大丈夫だよ。」



「そっか。良かった。じゃあ、また明日な。」



「うん。ありがとう。」