俺は砂浜に向かってゆっくり歩く。




「光。」




「遅かったね。見つけるの。」




「ごめん。・・・・朝飛と風香にめっちゃ怒られた。」




「へー、そっか。・・・・・私ずっと考えてたんだ。駆流にとって私ってなんなのかなって。」




「え?」




「約束、それだって元をたどれば私のせいだし。私が女なのに野球やりたいって言ったから駆流してくれただけじゃん。私がこだわりすぎてた。・・・・別に、駆流の隣にいることが当たり前じゃないのに。ごめんね。ずっと駆流の隣にいて。」




光が海を見て言う。




ここまで悲しい思いさせたのは俺のせいだ。




「光、そんなこと思わなくていい。・・・・俺が弱くて最低なだけ。俺のイライラを光にぶつけてしまった。いつも助けて、声をかけてくれたのは光なのに最低なこと言った。」




俺が話しても光は俺のことを見ない。




あぁ、今まで気づかなかったけど、光に振り向いてもらえないのが、こんなに辛いなんて。




「駆流。もういいよ。私のことは。駆流のことを100%分かってないのは普通だし、当たり前だから。」




光はそう言って少し笑った。