「そんなの、・・・・・・・そんなの楽しくない!!いつから、駆流にとって野球がそんなものになったの!?楽しくやろうよ!!ねぇ!!」




私がそう言って近寄ろうとすると、駆流が今までにないくらい怒鳴った。




「・・・・・あそこに立ったことない、ベンチに居ただけの光に、何が分かるんだよ!!俺の今の気持ちは、あそこに立ったやつしか分かんねぇよ!!」




「・・・・・・・あそこに立ったやつなんて何人いるの?甲子園のあの舞台に立っただけでもみんなの憧れなのに、そんな言い方すんな!!立っただけでも凄いって思わないの!?今、そんなに自分が嫌いならまた立ち上がればいいじゃん!!這い上がればいいじゃん!!先輩達にもうチャンスはないけど駆流にはまだあるじゃん!!でも・・・・・・・そんなこと言ってもベンチにいるだけの私の話なんてどうでもいいよね。」




私が言い終わると駆流は焦ったような顔をしていた。




でも、私はそこにいるのが辛くて後ろを振り替えずに走った。