次の朝、ホテルの前にみんなが集まるとバスで甲子園球場まで移動する。




バスの中はいつも通り。




「着いたから順番に降りて、選手は着替えて球場に、応援の奴らは応援席に行けよ。マネージャー後は頼む。」




「「「はい!」」」




私と渚颯先輩は荷物を持っていち早くベンチに入った。




ベンチに入った時、瞬間、風が吹いた。




ここが、甲子園。




私は目をつぶって心を落ち着かせる。




周りのざわざわした声。




今までに感じたことのない空気。




体が震える。




怖いからじゃない。




ここで先輩、駆流の試合が見れると思うとわくわくする。




「光ちゃん。いつもの終わった?」




私がこうしている姿を何回も見ているからか渚砂先輩がそう言った。




「・・・・・・はい。準備万端です。」




私がそう言って笑うと渚颯先輩もいい顔してるねと言ってくれた。




準備を終えると選手のみんながベンチに入ってくる。




みんなそれぞれ感じるものがあったと思う。




朝飛と駆流は目をつぶって、何かを呟いている。




「朝飛?駆流?・・・・・準備できた?」




「「もちろん。」」