…次の日の朝早く、夕陽は自宅へと戻った。

「…学校行きたくないな」

小さな声で呟きながら玄関のドアを開けた。

「…?!!」

ドアを開けた夕陽の視界に飛び込んできたのは、廊下にもたれて、うたた寝してる圭吾が映った。

「…け、圭吾さん!こんなところで何寝てるんですか?!」

ユサユサ揺らしながら、圭吾を起こす夕陽。

ゆっくりと目を開けた圭吾は、目の前にいるはずのない夕陽を凝視した。

「…圭吾さん?」
「…夕陽?」

「…はい?」

ガバッと、突然夕陽を抱き締めた圭吾に、夕陽はただただ驚く。

「…圭吾さ、」
「…バカ!一晩中待ってたんだぞ!」

初めて聞く圭吾の怒鳴り声。

夕陽は目を瞬かせた。

「…電話の内容の意味もわからないし、帰らないって言うし、居場所もわからないし。どこにいたんだ?」

「…咲の、友達、幼なじみの家に」

夕陽の返事に、圭吾はホッとため息をついた。

「…怒鳴ってゴメン、」

圭吾の言葉に、首をふる夕陽。

「…心配させないでくれ…寿命が縮む」
「…おじさん発言ですね」

夕陽の言葉に、ハッとする圭吾。

夕陽は少し笑って、でも直ぐに真剣な顔になる夕陽。

「…夕陽?」
「…心配かけて、ごめんなさい。私、何があっても、圭吾さん、大好きです」

「…夕陽、どうした?昨日から、変だぞ?」
「…大好きで、大好きで、言いたくなったから」

夕陽の心は決まった