突然の告白。驚いた。まさか圭吾が自分のことを好きだなんて。

9歳も年が離れてるのに。圭吾は立派なお医者さんで、そんな圭吾が夕陽を好き?

いや、何か気の迷いかもしれない。圭吾は夕陽を好きだと、思い込んでるだけかもしれない。

圭吾に自分は不釣り合いだ。

夕陽は、そう思えてならなかった。

「…夕陽」
「…何ですか?」

「…今夜は俺が夕飯作るから」
「…ぇ、え?!いいですよ!私がつくっ…」

勢いよく立ち上がったせいで足が痛んだ。

痛みにこらえつつ、しゃがみこむ夕陽。

そこへ圭吾が駆け寄って、夕陽をソファーに座らせた。

「…無理しない。治るまで、家事は一切禁止」
「…そんな」

「…無理して、悪化させたいのか?」

圭吾の言葉に、首をふる。

渋々納得した夕陽をソファーに残し、スーツを脱いだ圭吾は、ワイシャツの袖を捲る。

内科医って、腕細いのかなぁなんて、勝手に思っていた夕陽は、筋肉質なキレイな腕に見惚れた。

…圭吾の手際のよさに、夕陽は驚いていた。

「…圭吾さん、料理したことあるんですか?」
「…そりゃあ、父と二人暮らしだったからね、家事全般出来るよ。もしかして、出来ないと思ってた?」

圭吾の言葉に、正直に頷て見せる夕陽。圭吾は可笑しくてクスクス笑った。

…それからはさっきの告白なんて、無かったように、圭吾が振る舞ってくれたお陰で、ギクシャクすることはなかった。