その笑顔ヤバイって。夕陽は心のなかで叫んだ。

イケメンのこんな顔。…初めて見た。

「…春人は幼なじみで友達だから、愛想笑いなんて、しないです」

圭吾の顔を直視出来なくて、目を泳がせそう言った。

すると、夕陽の顎を持った圭吾が自分の方に向ける。

その動作に、夕陽は動悸がおさまらない。

「…それなら尚更笑うな」
「…なっ」

「…春人君?そいつの気持ち、夕陽は知ってるんだろ?」
「…」

春人は夕陽の事が好きだ。告白までされた。

…初対面の圭吾なのに、春人の気持ちを見抜いている。流石と言うべきなのな…

「…思わせ振りな態度は良くない」
「…その言葉、圭吾さんにそのままそっくりお返しします」

夕陽の言葉に、圭吾は黙る。

その時だった。信号が青に変わっていて、後続車のクラクションに、圭吾はとりあえず発進させた。

…車を走らせること数十分。

車は自宅に到着。

圭吾が先に車から降りた。

夕陽もシートベルトを外して、ドアを開けた。

「…ちょっと!圭吾さん、下ろして!歩ける」

またしても抱き上げられ、流石に夕陽もジタバタもがく。

でも、圭吾はびくともしないで夕陽を抱えたまま部屋の中へ。

ドサッと、ソファーの上に下ろされた