* * *

「……チッ、面倒くさい」




あたしは一人でアイツのクラス、1年B組の教室の前まで来ていた。




ガラッ



「失礼します……」




窓側の一番後ろの席に、茶色い頭が伏せている。


……見つけた。



「秋本!!」




「……ん~」




席の前で大声で名前を呼んでも起きないか、このクソガキは。




「起きなさいよクソガキ……!!」




あたしはそのチャラチャラした茶色の髪の毛を引っ張った。




「いててててて!!」




「……寝たふり?あんたいい加減にしないと退部届かかせるわよ?」