バンッ!!

「沙弥!!!!」



さっきまで眠っていた沙弥は、上半身だけ起こして何やらスマホをいじっていた。



「びっくりした…」


そのままの姿勢で “ 迷惑 ” とでも言いたげな目で俺を見る。


…そう、これだよ。やっぱり沙弥はこうでないと。



「…なに一人でニヤニヤしてるの」

「…沙弥」



不思議そうな顔をする沙弥を無視し、俺はベッドに近づいて沙弥をぎゅっと抱きしめた。



「ごめん…昨日、言い過ぎた」

「………あたしも」



沙弥は顔を隠すように俺の肩に顔をうずめた。