「こら蛍人、妄想で百面相してんじゃねえよ」」

「…6割くらい龍センパイのせいなんだけど」

「うるせぇ、ヤキモチやきすぎ彼氏」



6割とか言ったけど、本当は99.9%俺のせい。

龍センパイは何にも悪いことしてないし、むしろ曲がり角でぶつかった沙弥を助けてくれた恩人だ。


謝らせるどころか、本当はお礼を言わなきゃいけないくらい。



「蛍人くん」

「…何すか」



茉夏センパイが俺の前に現れた。


怒られるのか?沙弥のこと傷つけんなって。



「沙弥さぁ…熱出ちゃったの」

「……は?」



予想外の言葉に俺はあいた口がふさがらなかった。



「昨日の夜、雨の中ベランダでボーっとしてたらしくて…」

「…っ」



俺のせい?俺とケンカなんかしたから…