「そのセンパイ、嫌がってたじゃん!!そんな人放っておいて、戻ろうよ!!もう緑ヶ丘の人じゃないし、関係ないじゃん!」



“ そんな人 ” って……いくらなんでも失礼じゃない?


妹なのに、三上センパイとは性格がまるで逆だ。顔はそっくりなのに。



「……“ そんな人 ” でも、関係ない人でもないよ。」

「え…?」



グイッ



「ちょっと!」



秋本は握った手を見せびらかすように光莉さんの前に掲げる。



変に刺激すると面倒くさいことになりそうなのに…!

後で困るのはあたしなんだから!!!



「この人は……沙弥は、俺の彼女だから。軽い気持ちで暴言はいたり貶したりすんのやめてくれる?いい加減怒るよ」



手を離したかったけど、できなかった。


だって……秋本の目が、表情が…真剣だったから。



「…っ」



今、彼女って…… “ 沙弥 ” って…