「沙弥ちゃん、やっぱりかわいいよねぇ」




「…え?」




「いつまでもただの同居人でいようと思ってたら、他の男に取られるぞ」




それだけ言って、俺は車のエンジンをかけた。




「っちょ、え!?は!?なんで知って…!おいセンパイ!!」




「ばいびー、次はインターハイの日に会おう」




ウィーンと窓が閉まるのを確認して、焦る蛍人を置き去りに車をだした。



「あとは、光莉だなぁ」



妹だからわかるけど、あいつは狙った獲物は逃がさないタイプ。


沙弥ちゃんのことだって嫌いなはず。




……どうなるかねえ、このいびつなトライアングルは。