パシッ




後ろから伸びてきた手がいきなり五月の手を払った。




まさか…!



その人物を確認する時間もなく、あたしはぐいっと抱き寄せられた。




筋肉質な胸板が背中に当たる。




「_センパイに、気安く触んないでくれない?」




「あ゛!?蛍人!?テメェなんでこんなところに……って、まさか…!」




五月の表情が一変。真っ青な顔をしてあたしに迫ってきた。




「デートじゃないよな!?」




……このひと、どっかの過保護なお父さんみたいでいやだね。