「やだ~、血相変えて珍しい。カズマっち」




「やめろ、その言い方…キモイ」




いつの間にか、紫藤が後ろについてきていた。




「さっき噂してたのって、桃ちゃんのことじゃね?1組で1番かわいいの、桃ちゃんだろ」




「は?ゆめだろ」




「おおっ、カズマくんやる気?お前が感情的になるって珍しいな」




からかうように笑うから、余計に腹がたってきた。




「新羽…だっけ?ウチのクラスの転校生がゆめになんの用だよ」




「いや~、まだ決まったわけじゃない。ゆめちゃんがかわいいのは認める。けど俺に恋してる桃ちゃんの方が数百倍輝いてるってことで俺の圧勝」




「言ってろよ、ばか」




紫藤の腹を小突いたあと、1組の教室を覗いてみた。