なんだよ、もう授業始まってんじゃん。



チャイムが鳴ったことにも気づかなかった、俺としたことが。



最後まで新羽に振り回されたな。



1時間……どこで時間潰すかな。



階段をのぼると、ゆめがいつも昼休みにいる空き教室が見えてきた。



ここ……鍵、かかってんのかな。



そんなことを思っていたら、カラカラと音をたててドアが開いた。



「カズマ!?」



ゆめ?



なんでこんなとこに。



「授業は?」



「うん……気づいたらチャイム鳴ってて……」



「サボりかよ」



「そーなるのかな……へへっ、カズマもだね」



さっき冷たくした効果があった?



珍しく引きずってるっぽい。



いつもは能天気な顔が今はなんだか遠慮ぎみだ。