「痛かったよな…ごめんな」



手に触れると、頬を赤くして俺の手を振り払う。



「やっ……やめて」



触るのはタブーだな、リサの俺に対する余計な感情を受け止めることはできないから。



「こっちきて、ちゃんと話相手になってやれてなかったよな。不安だった?」



「なっ……」



思えば、西内のグループは苦手だと言ってたはず。



うまく入れたのかと思っていたけど、実際はそうじゃないのかも。



無理しているのなら…色んなところに歪みがでても仕方のないこと。



「学校行きながら話聞くけど」



ゆめも気になるけど、先にリサをなんとかしないといけない気がする。



「い…いいの?カズマ、いつも忙しそうで……全然話聞いてくれなかったのに」



やっぱ、そうだよな。



知らない土地に突然来て、知り合いは俺だけなのに、そんな俺が全く相手してなかったんだから。



不安がないわけ、ない……。