んんん…。



荷物運びかなぁ。



「誰かいないのか?」



先生が教室をみまわしている。



「はいっ、やります」



「おおーっ」



拍手喝采を浴びたのは、あたし…じゃなくリサちゃん。



すっごい!



勇気あるなぁ。



注目を浴びるかなって思ったのもあって、思い切って手を上げることができなかった。



今度こそっ。



「はーい、やりまぁす」



今度は西内さんだ。



西内さんのグループの子が続いて手を上げていく。



「俺もやるー」



今度はクラスの中心的存在の男の子たちが次々と立候補し、気づけば役割は全て埋まってしまっていた。



へへっ、あたしが出る幕なんてなかった。



ひとりドキドキしてただけ。



みんなすごいなぁ、役割は決まってしまったけどあたしにも何かお手伝いできることがあるかな。