「一緒に帰って…って、その子も?」



「そ」



そのとき、すごく大きな声が聞こえてきた。



「カズマ~っ。先に帰らないでよ!!帰り道わからないのに」



声を張り上げているのはうちの制服を着た女の子。



「うっせ…って、しっかり戻って来てんじゃん」



あれ…あの子…。



ボソッとこぼすカズマの後ろから、女の子が現れた。



「ひどいよカズマ!……あれっ。あれ!?宇佐美さん…だよね。どうしてここに?」



あたしを見て大きく目を見開くのは、今日転校してきたリサちゃんだ。



「リサちゃんこそどうして?」



「あたしは…その…」



リサちゃんが口ごもっているけど、お母さんとさっきのカズマの話をまとめると、リサちゃんが親戚の子ってことが妥当だよね。



「カズマの親戚、でしょ?」



「もうっ、カズマ!バラしたの?」



リサちゃんがカズマの背中を小突いている。