幾度となくあの夜の夢を見た。
熱い砂浜に背中を焦がされ、さざめく波の音を聞いた記憶は、とても鮮明で刹那的な夢となってわたしを翻弄し続けている。
あなたと2人だけで完結するその美しい世界の中でわたしたちは、寄り添いながら空を見上げているのである。
そして眼前に広がる闇の中から星たちが白い尾を引いて海へと降り注いでいく光景を、ただ見つめてる。
一瞬の輝きを放ちながら波間に落ちる流星は、まるでわたしたちの運命を暗示しているかのようだった。
切ない余韻だけを残して、静かに、とても静かに消えていく。
そしてまたわたしは、色の無い世界で目を覚ますのだ。