近付いていくと、吹き抜けた風に舞った白い花を見て「雪…?」と空を仰いでいた




「ヒトツバタゴ」




季節外れの雪に見入るさつきの隣に座る




「属名chionanthusはギリシャ語で『雪の花』って意味なんだって」




俺も初めて見た時は雪かと思った






「これがナンジャモンジャ…」





「なんだ知ってるんだ。俺も初めて見た時はこの季節に雪?って思ったよ。本州の限られた地域にしかないから、地元では見られないしな。」



毎年、懇親旅行で見る雪の花が気になって、昨年吉野さんに聞いたら詳しく教えてくれた



本当、何でも知ってる人で恐ろしい





ヒトツバタゴの花言葉は…




なんだかさつきみたいだなって思ったっけ









決勝の相手はやっぱりマーケティング企画部で、早川さんの采配と大也の粗削りなのにパワーとスピードのあるスパイクに楽をさせてもらえない






誰もいないコースにキレイに決まった大也が打ったスパイク



コート内でワンバウンドしただけで、強く壁に弾く程のパワー





やばっ




「さつき!!」





壁に弾かれたボールはそのままの勢いでさつきに向かっていった