桜が満開に咲き誇って甘い香りに包まれているような日に。

「真実の愛を見つけた時にこの石は虹色に染まるんだ__。」

 突然私に話しかけてきた男の子は少し不愛想にそう言って私にその石を差し出してきたの。

「え?」

 私が反射的に出てきた言葉は、もしかしたら噴水の音でかき消されたかもしれない。でも確かに、こう聞こえたんだ。

「虹色ストーン。」