キィ…ガタン…---。



窓際の、
隣の席を引く音がして、
私はすばやくそちらに視線を向けた。





「あの…そこ愛澤奈央ちゃんの席ですけど…」






黒髪の男の子の着席に
私が声をかけると
彼もこちらを振り向いた。


「ここ俺の席だし。分かってるけど。」


「わ…っ!!」


「なに?その悪いもんでも見たような反応は。…気に触るなぁ。」


「…デビ…てか……あ…あ、あ、アイちゃんって…………お、男の子だったの?」


「これからお隣さんとして宜しくな。シノリン♪」


「エエエェーーーーッ!!!」



---これからの人生、


ちょっとは…
楽しくなるのかなぁ---?




-完-